
カーボンボンネットとドアミラーの塗装でお預かりしました。

ミラーとボンネットはクリヤー塗装されていますが余り良い状態ではありません。


クリヤーの剥離、厚塗りしすぎての垂れた跡、艶の著しい低下が確認できます。パーツを購入した際に、どこかの板金塗装工場に塗装していただいたそうですが、オーナー様曰く、安いとは思ったけどこんな結末になるとは想像していなかったとの事です。
工場によって修理方法や使用する材料、手間の掛け方は様々で何処に依頼して良いのか全く分からないと思います。塗膜のトラブルは時間が経過してから出てくる場合が多いので、余計に判断が難しくなります。
安くてもこんな状態になってしまうとお金を捨てているのと変わらないと思いますので、当店ではなるべくお客様が損をしないような作業内容と金額をご提案しています。ブログに作業の写真を沢山載せているのも少しでも判断材料にしていただければ、との思いからです。板金塗装は適切な下地を作って塗装すると言う基本は同じですので、車種が違っていても参考にしていただければと思います。




ボンネットのダクト部分に付くカバーは特殊な固定方法でしたのでオーナー様に外してきていただきました。

車体からミラーとボンネットを取り外します。
数十万円するドライカーボン製品で裏面の作りも非常に綺麗です。それだけに塗装が残念すぎます。

ボンネット裏とエンジンルームは汚れないようにマスキングしておきます。


劣化した塗膜は剥離しなければまたトラブルになりますので剥離するのですが、試しに浮いた塗膜にヘラを差し込んだら見事に剥がれてきました。


細かい箇所は研摩して全ての塗膜を剥離しました。

今回はボディー同色に塗装しますので全体を研摩、脱脂、清掃を行います。



ウレタンサフェーサー(STANDOXシステムフィラー)を使用しました。




サフェーサーを乾燥させている間に調色を行います。
分光型測色機で車体の色を読み取り塗料メーカーの配合データで色を作ります。

テストピースに塗装→クリヤー塗装→乾燥→確認→微調色を繰り返して塗装できる色が出来ました。



サフェーサーの乾燥が終わり研摩する前に、ガイドコートと言われる黒いカーボン粉末を表面に擦り付けます。

研摩した箇所はガイドコートが無くなり、ガイドコートの残った箇所は研摩出来ていない箇所なのでガイドコートが残らない様に研摩していきます。

最初は320番のペーパーで全体を研ぎ、次に400番→500番→600番と前のペーパー目が消える様に徐々に細かくしていきます。水を使わず空研ぎしましたのでサンディングステップは100番以内です。

細かい箇所もガイドコートが残らないようにしっかり研摩しておきます。

粉塵の清掃を行い裏面のマスキングを貼り直しておきます。

脱脂、清掃を行い塗装していきます。




クリヤーは耐候性にも優れたSTANDOX クリスタルクリヤーを使用しました。







赤外線乾燥、磨き、組み立てを行います。
同色のウォッシャーノズルはオーナー様がご用意下さいました。

洗車と清掃を行い完成です。






今回のご依頼誠に有難う御座いました。
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