
ルーフの修理でお預かりしましたマツダ CX-3 です。



低い場所でアンテナが引っ掛かってしまった、との事でかなりの大きさ、深さで変形しています。


ヘコミに伴いゲートとの隙間も開いています。

ここまで変形するとルーフライニングも損傷しています。

ディーラー様では鈑金不可で交換との事ですが、オーナー様はルーフの交換には抵抗があるので何とか鈑金できませんか?と言う事で鈑金で修理する事になりました。
分解から始めていきます。
シートや内装部品は汚れないように梱包して保管しておきます。



ルーフライニングは新品交換になります。

ルーフモール、アンテナも取り外し、ルーフ全体を脱脂して清掃しておきます。
ヘコミの最も深い箇所は8cmくらい凹んでいました。

此処までの変形ですと鋼板がかなり延びていますので、叩きと絞りを何度も繰り返して形を戻していきました。


開いていたゲートとの隙間も戻りました。

大まかな形は戻りましたが細かな歪みが残りましたのでパテを使用します。
脱脂、清掃、マスキングを行い鋼板の露出している箇所にプライマーを塗布しました。
STANDOX EP(エポキシ)プライマーを使用しました。


プライマーを赤外線乾燥させて表面を研摩、脱脂を行いました。

仕上げ用に使うスプレーパテを塗布します。
STANDOX PE(ポリエステル)スプレーフィラーを使用しました。
厚盛りは出来ないですが、広範囲や複雑な形状の場合にスプレーガンで塗布できるので非常に便利です。


規定の温度で赤外線乾燥させてパテを研磨しました。

脱脂清掃を行い鋼板の露出した箇所にプライマーを塗布しました。
STANDOX エッチングプライマーを使用しました。


プライマーの乾燥後サフェーサーを塗布しました。
STANDOX システムフィラーを使用しました。



サフェーサーを乾燥させている間に調色作業を進めて行きます。
測色機で車体の色を読み取り、近似の配合データに従って色を作ります。

配合した色をテストピースに塗り車体との比色を行いました。



サフェーサー箇所とルーフ全体を研摩して脱脂、清掃、マスキングを行いました。

サフェーサーの薄くなった箇所がありましたので再度サフェーサーを塗りました。
STANDOX ノンストッププライマーフィラーを使用しました。

ノンストップの名前が付いているように、研摩せずに上に色を重ねてもしっかりと密着するサフェーサーになっています。

サフェーサーの溶剤が抜けたら配合したカラーベースを塗り、最後にクリヤーを塗りました。
STANDOX クリスタルクリヤーを使用しました。




赤外線乾燥させて磨きを行いました。


新品のアンテナを取り付けて水漏れが無いかの確認をしました。

ルーフ裏側に防錆剤を塗り新品のルーフライニングと内装を組み立てました。


洗車と清掃して完成です。




今回のご依頼、誠に有難う御座いました。