いつもお世話になっているデントリペア&コーティングのDR-Garage Okano さんのご友人でフロントスポイラーの割れ、劣化の修理でお預かりしました。

スポイラー下部を擦ってスポイラー両サイドが持ち上がり割れています。


全体にクラックが入っています。



FRP製のスポイラーで全体にダメージがあり交換した方が安く済みますが、300台の限定車で部品も手に入りませんので修理する事になりました。
スポイラーを取り外しフォグランプ等をスポイラーから取り外します。


下側の擦って割れた箇所です。


裏側を見てみると過去に修理されていますが、修理箇所が剥がれています。

他の箇所も・・

密着している様に見えて全く密着していません。
研摩した痕跡がありませんので・・・・。


今回の損傷とは関係ない箇所が多いですが、あまりにも車が可哀相なのでしっかりと修理していきます。
割れている箇所の裏面をしっかりと研摩しキズを付けて(密着させる為)脱脂清掃を行います。


ポリエステル樹脂に浸漬したガラス繊維を貼り余分な樹脂や空気を抜いていきます。



樹脂が硬化したら表面から割れが無くなる深さまで研摩します。

表から傷を埋めてあったパテもあまり密着していないので研摩して取り除きます。


脱脂清掃して裏面と同じようにガラス繊維を貼っていきます。
裏だけ繊維を貼って表はパテ埋め、ではすぐに割れてしまいますので、裏と表で挟んでいます。


クラックの入っている箇所は


研摩していきます。

白いゲルコートの層まで削ってもクラックは消えませんので、消える深さまで研摩します。

全てのクラックを研磨して脱脂清掃を行い、ガラス繊維を貼って硬化させます。


硬化したら研摩して元の形状に近づけていきます。パテと違いかなり硬く時間が掛かりました。

飛び石等もあり全体を研磨しました。

全体にラインが崩れていますのでパテで整えなければいけませんが、面積が広いのでスプレーパテを使用します。
STANDOXのスプレーフィラーと口径の大きなスプレーガンです。


赤外線乾燥させて部分的に通常のパテ(ピンク色の箇所)も使用してラインを整えました。


ある程度整えて脱脂清掃を行いウレタンサフェーサーを塗布します。

赤外線乾燥を行い車体に取り付けて確認します。

割れてなくなっていた箇所です。


何箇所かラインに違和感がありましたので全体を修正しながら研摩して再度ウレタンサフェーサーを塗布しました。


乾燥の間に調色を行います。

メーカーのデータで作った色をテストピースに塗布して確認、微調整を繰り返し行い色を近づけていきます。

9回目で何とか近づきました。

サフェーサー全体を研摩して脱脂清掃を行います。



調色した色で塗装します。
ここまでかなりの日数が掛かっていますが、塗装している時間は下地作業の時間に比べて一瞬で終わります。
クリヤーを塗装して塗装完了です。


ゴミの付着も少なく塗れました。



乾燥後、磨き、組み立てを行います。


室内清掃と洗車を行い完成です。
フェンダーのキズは今回はタッチアップしていずれ修理される、との事なのでタッチペン用に余った塗料をお渡ししました。


クラックも無くなりスッキリしました。



普通のロードスターとは違う証です。

車が喜んでいるように見えました。

今回はご依頼いただきまして有難うございました。